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2017.03.28

先週の話。
山下達郎星野源の民放ラジオ101局特別番組を聴いた。
2人のラジオに対するスタンスやルーツが垣間見え、山下達郎が音楽を紹介する際に膨大な情報と解説を付けるのは、ラジオの原体験でそういったスタイルの放送を聴いていたことだというのに対し、トークと音楽、駄話を全て一つの番組内でやりたかったという星野源にはラジオそのものの多様性が現れており、対称的な二人の選曲がそれを物語るようであった(山下達郎がロックンロールの原体験としてYoung Rascalsを紹介したのに対し、星野源は笑える曲としてオマリーの「六甲おろし」を選曲していた)。
特に星野源のラジオ観というのが、例えばTVゲームの『グランドセフトオート』をプレイしているとアメリカにおけるラジオ文化というのは非常に細分化されており、音楽ジャンル毎にチャンネルが分けられていたり、トーク専門の局があり、その文化の違いに驚かされるのだけれども、イエローミュージックをキーワードとして活動している星野源のスタンスが色濃く出た結果が全部乗せなラジオな訳で、それがとてもイエローな感じがして、山下達郎が一貫性があると言っていることも非常に納得してしまった。
火曜日には『カルテット』が遂に最終回を迎えた。
本当にパセリの様なドラマだった。
人によっては全く必要としないパセリは、また人によっては彩りを与えるものになり、また人によっては煙たいものにすらなることもある。
しかし、パセリによって彩りをもたらされた唐揚げの様に、不可逆なものに彩りを与えることが生きがいになることもあり、僕にとっての『カルテット』はまさに彩りを与えてくれたものだった。
だからこそ、「サンキュー、パセリ」な訳で、人生にはパセリを添えていった方がみぞみぞするのではと思う。
そして坂元裕二脚本のドラマとしてもトップクラスのドラマだと思った。
最高の離婚』以来の出色の出来だと思うと共に、ここ5年個人的にも『あまちゃん』以来と言ってもよい程のめり込んだドラマであり、個人的なドラマを観る三大要素の坂元裕二宮藤官九郎満島ひかりが揃ったということも、最早偶然ではないかと思えるくらいに、生まれるべくして生まれた傑作ドラマであった。
 
そして、ペトロールズのトリビュート盤『Where, Who, What Is Petrolz?』を購入。
バンド結成数年後にリリースされたライブ会場限定200枚のみの販売だった初音源『仮免』やAmazonのみで販売していたライブ盤『Music Found By HDR HC-3』、初の全国流通盤となったミニアルバム『Problems』等は瞬く間に廃盤となり現在ではプレミア価格になっていたり、デビュー10年目にリリースされた1stアルバム『Renaissance』も三角形の特殊ジャケットで販売店泣かせだったりで、一筋縄ではいかないペトロールズの音源事情なのだけれども、本家がメジャーデビューするよりも早くメジャーからトリビュート盤がリリースされ、更にそこに参加しているミュージシャンの旬さと豪華さを鑑みるに、更にその一筋縄ではいかない感が強調されたような気もする笑
とはいえ、その豪華なメンツと10年の間に作られた名曲と更に新曲まで収録されている訳で、ペトロールズというバンドの凄さが、特にシティポップやアシッドジャズが再解釈されている今だからこそ、よりビビッドに見えてくる。
更に楽しみなのは、Corneliusの「あなたがいるなら」の作詞が坂本慎太郎だと発表されたことだ。
この二人の接点はゆらゆら帝国が世に認識されるきっかけや、Remix誌での対談、salyu x salyuでの共作等があるが、どれも非常に印象に残るものであったので、今回も非常に楽しみだ。
奇しくも今年リリースされた小沢健二のシングルCDが7インチのジャケットだったことと、Corneliusの7インチのアナログ盤でリリースされる点がシンクロしているように思えると共に、その形態の違いこそが二人の違いの様にも思う。
そして、TVではトカゲの尻尾切りという言葉が飛び交っていたので、『ダウンタウンのごっつええ感じ』の傑作コント「トカゲのおっさん」を何本も観た。
やはり、むちゃむちゃ面白く、そしてむちゃむちゃ哀しくもある。

2017.03.23

先週末、韓国映画『お嬢さん』と『哭声 コクソン』を観た。
両方とも一度観た位では全てを受け止め切れなかった様な感覚があるのだけれど、とは言えこの二本がヒットしている韓国の凄みたるや。
韓国のエンターテイメントは自国のマーケットだけでは市場規模が小さいので、国家の産業として世界をターゲットにしていると言われるが、こんな歪な作品群もそこから出てくるというのが本当に凄い(ハリウッド映画をただ真似するのではなく、そこには無い魅力としての歪さをきっちり認識している所に心底関心してしまう)。
 
『お嬢さん』は、奇しくもロマンポルノリブートと同タイミングで観れることもあってか、その変態性の飛びっぷりと、余りにも潤沢な予算で作られたであろう一目でわかる映像の力に圧倒されてしまった(ロマンポルノリブート作品は白石和彌監督『牝猫たち』と園子温監督『アンチポルノ』しか観れていないが、こちらは決められた予算やフォーマット、作り方のルールがあるからこそ、作家性が浮き上がり、またロマンポルノの日本映画にとっての意義などにも意識させられる面もあり、こちらも非常に面白い)。
そして、三部構成で語られる『羅生門』的物語運びも非常にスリリングで、ラストの爽快感も含め非常に面白かったのだけれど、片言の日本語と字幕の切り替えのテンポに慣れない感覚もあったので、そういう意味でもう一度観直したい。
『哭声 コクソン』も映像の力が凄く、ストーリーもトーンも予想しない方へどんどん転がっていく様が非常に面白く、特に土着的な悪魔払いの儀式以降グッと引き込まれる様な感覚があったのだけれど、冒頭に聖書からの引用があることからも、キリスト教のことをもっと知ってから観るとまた全然違った様にみえてくるかなあとも思ってしまった(聖書からの引用のモチーフがほとんど分かっていないことから混乱してしまった部分も少なくなかったので)。
とはいえ、國村隼の演技は本当に凄まじかったし、鑑賞後に解説などに触れると混乱した部分も腑に落ち、やはりこちらももう一度観直したくなった。
繰り返す様だが、どちらも最初に述べた様にその凄さの一片を感じながらも一度では受け止めきれなかった感覚があるからこそ、非常に印象に残る映画だった。
そして、EGO-WRAPPIN'、STRUGGLE FOR PRIDEtofubeatscero、THEクルマが出演するCHOICEの4周年記念ライブを味園ユニバースで観た。
味園ユニバースでライブを観るのは3回目だけれど、やっぱりこの会場は非常に魅力的だ。
昭和レトロなビルの外観も素敵だが、キャバレーの内装をそのまま使用し、至る所に球体を模した照明やシャンデリアがあり、ステージのバックには煌めくばかりのネオンが施され、ライブ中の照明としても使用され、その雰囲気はなかなか他の会場では味わえない(この会場を舞台にした映画『味園ユニバース』は良い映画だったけれど、この会場の素晴らしさの全てを映しきれていない点は結構な不満点だった位の素晴らしさだ)。
個人的には関西のライブ会場の中では磔磔と並んで特に好きな会場だ。
 
今回のライブではcerotofubeatsSTRUGGLE FOR PRIDEが特に良かった。
ceroは観る度に良くなるというか『Obscure Ride』の曲は如実にライブによって骨格がしっかりとしていき、贅肉がどんどん削がれている様な感覚で、「街の報せ」での最新のグルーヴにもしっくりきていたので、次のアルバムが非常に楽しみだ。
tofubeatsはキラーチューンと新曲の連発で非常に楽しく、特に「Shoppingmall」の後にKOHHの曲を繋げて流していたのが格好良かった(「Shoppingmall」はtofubeatsなりのKOHHへの回答だと思っていたので、とても腑に落ちた感覚があると共に、どことなく去年の3周年記念ライブでの、tofubeatsceroの「Orphans」を流してその上に「水星」のバースを被せていたのを思い出す。そして去年の今頃も『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』で坂元裕二ドラマに夢中になっていたこともふと思い出した)。
そしてSTRUGGLE FOR PRIDEである。
cerotofubeatsからの流れは、フットボールアワー後藤が言う所の、高低差ありすぎて耳キーンなるわの現実版な訳なのだけれど、20分という短い時間ながらも、非常にタイトでノイジーな爆音でむちゃむちゃ格好良かった。
スピリチュアルなダンスやモッシュ、ダイバーも現れ、一瞬で空気感が変わったのもとても良かったし、その轟音とハードコアならではのストイックな姿勢に心底ヤられてしまった。
月曜日には『SING』の吹き替えを観た。
ユニバーサルのイルミネーションのアニメーションのカルチャーの取り入れ方は、ディスニー/ピクサーの欠点の無いところが欠点という様な隙の無さとは違い、軽薄さもありながらもちゃんとそのカルチャーならではのダイナミックさを再現しようとしているところが好きだ(特に60年代のロックンロールが大好きなので『ミニオンズ』は本当に楽しかった)。

2017.03.16

最近、1時間くらい時間があると、村上春樹の『騎士団長殺し』を読むか(やっと第2部の半分くらい笑 とは言えむちゃむちゃ面白いので、ちゃんと集中できる時にしか読みたくないのだ)、Netflixで『最高の離婚』を観返している。

最高の離婚』は第7話の尾野真千子瑛太に向けて書く手紙の回の所までなのだけれど、当時観ていた頃よりも瑛太演じる光生に感情移入できる様になっているのが、良いのか悪いのかよくわからない笑

とは言え、坂元裕二脚本の中でもトップクラスに好きなドラマなので(『それでも、生きてゆく』と『カルテット』を合わせた3本が個人的にはトップ3)、やはりむちゃむちゃ面白い。

最高の離婚Special 2014』以降音沙汰が無いけれど、またあの4人の今を見てみたい。

youtu.be

そして、『カルテット』第9話も素晴らしかった。

特に最後の演奏の前における4人のやり取りのエモさたるや。

カルテットを組んだ当初会話がことごとく噛み合わず、声を張ることすらできなかったはずの彼らが、これまで積み重ねてきた生活と会話によって、すっかり好きが溢れ出る関係性が築かれていることに(吉岡里帆とのあの不自然な好きのやり取りも非常に対比的で、彼女だって最初は4人とそう遠くない場所にいたはずだ)、ドラマならではの快楽を覚えた。

今まで何度も描かれてきた不可逆性を、遂に肯定する4人の美しさときたら。

今週が最終回でも良いくらいの美しい回だったけれど、来週の最終回で白黒付けるのは恐ろしいわけで、どんなにグレーな結末になったとしても、このドラマを追いかけた3ヶ月間は非常に充実していたなあと思うわけです。

youtu.be

 

先日は『モアナと伝説の海』を観た。

海を上を舞台にした『スターウォーズ』や『マッドマックス』、『ロードオブザリング』を思わせるような冒険活劇で、同じディズニー映画なら『ベイマックス』を観た時の様な感覚に近い。

水の表現はとにかく綺麗でそれだけでも見応えがあるのだけれど、最近のトレンドでもあるミュージカルもしっかり抑えており、非常にエンターテイメントとしてもしっかりとした出来で非常に面白かった。

 

それにしても、最近のディズニー映画は本当に凄い。

『インサイドヘッド』や『ズートピア』と言った欠点が無い所が欠点と言われる程の質の高い映画をコンスタントに作りながら(最早ディズニーとピクサーの3Dアニメは両方ジョンラセターが関わっている訳だし、その質においてもどちらが優位にあるとも言え無い程だ)、更にはルーカスフィルムとマーベルシネマティックユニバースも傘下に据えている訳だから(それ故に本作や『ベイマックス』の様なアクションエンタメ作の質をより引き上げている様に思う)、ディズニー映画が経済的にも好調なのも当然と言えるだろう(『アナと雪の女王』を表した際、菊地成孔がエンタメを全てかっさらっていくのがディズニーだと言っていたのも思い出される)。

youtu.be

 

ただ近所の映画館では吹替えしか上映されておらず(地方の映画館に通う僕としては最近字幕の上映が減ってきているのが目に見えて増えてきており、少し寂しい。英語圏の人たちの反応も洋画を観る上での楽しみの一つだったりする)、ドウェインジョンソンの歌を聴くことができなかったので、字幕でもう一度観たいくらいだ。

 

『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』も観た。

広瀬すず中条あやみは非常にスクリーン映えする美しさなので、どんどん映画に出てほしい。