2017.03.09

最近はドレスコーズの『平凡』とFutureの二枚のアルバムを繰り返し聴きながら、村上春樹の『騎士団長殺し』を少しずつ読み進めている(まだ第1部の300ページ程だがこれがむちゃむちゃ面白い!)。
そんな中、『ナイスガイズ』を観てきた。
『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』のムービウォッチメンでも言われていた様に、ポールトーマスアンダーソンの『ブギーナイツ』と『インヒアレントヴァイス』を混ぜ合わせた様な世界を舞台にバディ探偵ノアールコメディをやるという、同じLAを舞台にした『ラ・ラ・ランド』とは180度違う方向性の映画だ。
 
ライアンゴズリングには静かな狂気を描いた『ドライヴ』でのその男臭いハードボイルドさに心をガッツリ掴まれ、その後に観た『ブルーバレンタイン』での実在感のある演技に魅了され、『ラ・ラ・ランド』のチャームさにももちろんグッときていたのだけれど、この前のアカデミー賞時のライアンゴズリングの度を超えた愛嬌にはクラクラさせられてしまった。
 
そんな状態で観た『ナイスガイズ』の彼のノリノリっぷりは実に最高で、表情やセリフ、動き全てがツボにで全部笑えてしまう(特に逆トムクルーズと言える様な走り方は、『沈黙-サイレンス-』における窪塚洋介の名演も彷彿とさせる脱力具合だ)。
やたらと高い声で喚き立てる様や、酔っ払って高い所から落ちがちで、常にドタバタしている感じがどうしたって下らなくて笑ってしまうし、基本的にはロジックやプロフェッショナルな技術よりも運任せな所も非常に笑えるのだ笑
『ラ・ラ・ランド』でも大げさに驚く仕草はあったが、あの時以上に驚きやすく高い声で「ジーザス!」と叫ぶ仕草はついつい真似をしたくなる。
ただ、パンク警察的には77年、78年のLAを舞台にしているはずなのに、79年リリースのThe Clash『London Calling』のジャケットになる写真は存在しないことも指摘しておこう。実に時代検証が甘く、リアリティがないことだ(おっと、安い笑いを取りに行き過ぎた。以前にも書いた通り、アメリカでは80年代最高のアルバムとしても選ばれる位なのでそれ自体が笑いどころなのだと思うし、そして、コメディライクなこの話には関係のないことなので本当にどうでもいいことだ笑)。
そして、今週もまた『カルテット』が相当に面白かった。
8話目にして、再び主要4人のやりとりが増えたことで、これまで以上にそのやりとりの一つ一つが愛おしいく、これまでの7話までの出来事が積み重なり、すっかり限りなく家族に近い何かが形成されている様で実に微笑ましい。
 
それでいて、今回の満島ひかりの健気な行動は、ミッキーカーチスのセリフ「眩しいね!」という言葉に集約される様な素晴らしさだ(自分のことより好きな人をちょっとだけ思いやることがどんなに素敵なことか)。
だからこそ、『ラ・ラ・ランド』と同様に夢を見ていた満島ひかりの美しさと儚さがより一層強調される(他にも松たか子がピアノの弾くシーンの照明の具合や、高橋一生が柱に手を巻くシーンなど、どうしても『ラ・ラ・ランド』を彷彿させられた)。
 
とはいえ、またもや凄まじいクリフハンガーでエンディングが訪れた訳で、あと2話で終わってしまうのが非常に寂しいのだけれども、早く来週になってほしいくらいこのドラマがどの様に完結していくのかが楽しみで仕方がないのだ(吉岡里穂がサンドウィッチマン富沢に跨っていたシーンも非常に気になる笑)。